タランドゥスオオツヤクワガタの飼育【幼虫飼育&産卵方法】【Shiho的見解:2021年度版】
今回はアフリカを代表するオオツヤクワガタ種、タランドゥスオオツヤクワガタの飼育方法をご紹介したいと思います。
【参考画像:タランドゥスオオツヤクワガタ♂】
【参考画像:タランドゥスオオツヤクワガタ♀】
【飼育種】
和名:タランドゥスオオツヤクワガタ
学名:Mesotopus tarandus
産地:アフリカ・コンゴ
アフリカを代表するクワガタ、タランドゥスオオツヤクワガタです。
一昔前は1ペア20万円以上の値がついていた時代もありました。
当時が懐かしいですね^^
成虫はとても強く、頑丈です。
活発に動き回るタイプではありませんが、熟成すると、独特の振動(バイブレーション)を行い身体を揺らします。
飼育方法は今現在では確立されており、弊社ではNatura菌糸にて産卵や羽化実績がございます。
それでは私個人のやり方ではございますが、幼虫飼育方法と産卵方法をご紹介してみたいと思います。
★★幼虫飼育★★
【お勧めのエサ】
Natura(ナチュラ)カワラ菌糸ビン
【えさ交換回数】
N-1100 ×2本程度
※交換途中1~2回程度(※菌糸の劣化や状況による)
【設定温度】
23~25℃前後
【羽化までにかかる時間】
♂:約7~12か月程度
♀:約7~10か月程度
※あくまで目安です。♂♀、管理環境(管理温度、飼育するエサ等)、亜種の違いによって個体差があります※
幼虫飼育はカワラ系菌糸を使用すればとても容易な種だと感じてます。
弊社ではNatura(ナチュラ)菌糸で羽化実績がございます。
この種はとても成長が早く、管理温度によってはあっという間に羽化してしまう傾向があります。
飼育自体は特別難しくはないと考えております。
では次に産卵セットの方法をご紹介したいと思います。
タランドゥスの産卵方法には、
・カワラ材、レイシ材を使用したセット方法
・カワラ系菌糸を使用したセット方法
の2つのやり方がございます。
<産卵方法>
★★カワラ、レイシ、植菌材を使用する方法★★
【産卵に使用するお勧めマット】
基本マット産みではないので、特にこだわりなし。
私はきのこマット、完熟マット辺りを良く使用。
【産卵に使用する材】
カワラ材、レイシ材、
人工カワラ、レイシ材(植菌材)
【産卵に使用するケース】
クリーンケースM~L程度
【産卵管理温度】
25~27℃前後
【セット方法】
ケース底面を固くつめ、材を入れ、その回りは柔らかく詰める。
上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。
材の頭が出るようにセット。
産卵セットは図示すると以下のような感じで組みます。(参考例です)
では画像と共にセット方法の手順をご紹介したいと思います。
※この画像では普通のクヌギ材を使用しての参考画像紹介になります。タランドゥスのセットの場合にはカワラ、レイシ材を使用することをお間違えないようにして下さいませ※
<手順>
まずは使用する材を用意。
下記画像はクヌギ材になります。
タランドゥス種をセットする場合は、カワラ材、レイシ材、植菌カワラ、レイシ材をご使用下さいませ。
材を用意します。
材の皮は剥かない方もいらっしゃると思います。自然界では当然皮などは剥けていないので、より自然のままのセットをお好みの方はそのままセットするというやり方もありだと思います。
材を水に浸します。
ただし植菌材の場合は加水は必要ないかと思います。
あくまで私のやり方ですが、私は材を水に浸す時、そこまで長い時間はかけません。
目安は水に浸している途中で材を取り出し、実際に持ってみて、重量的に十分に水分が含まれているかどうかをみて判断します。
実際に手に取って水分の染み込み具合を確認します。
これは感覚的なものなので、どれ位とご紹介するのはとても難しいです。
もし敢えて時間的に言うならば、早くて5分、長くても10分位といったところでしょうか。
これも私的にはあまり時間はかけません。
元々長く水に浸していませんので、陰干しもごくわずかの時間です。
敢えて時間的に言うならばやはり5~10分程度でしょうか。
次にマットを準備します。
マットをケース底面に固く5cmほど詰めます。
タランドゥスは材産みが主体なのでマットは基本的には何でもOKです。
針葉樹のマットでもOKですが、もし万が一幼虫が材よりこぼれ落ちた事態を考えて幼虫がスムーズに食可能な発酵マットが無難かと思われます。
次に材を入れ、回りにマットを軽く詰めます。
この画像で使用しているのはクヌギ材2本です。少し柔らかめの材です。
ゼリーと生体を入れて完成。
真上からの画像です。
このようにマットをそこまで深く詰める必要はありません。
いわゆる「転がし産卵」で十分です。
次に菌床ブロック、菌糸ビンをしようしたセッティング方法をご紹介します。
★★菌糸に産卵させる方法★★
(菌糸ブロック、菌糸ビン産卵セット方法)
【使用するケース】
クリーンケースLサイズ
【使用する菌床、菌糸ビン】
Natura(カワラ)ブロックまるまる1個
Natura-1100菌糸ビン
【周りを埋め込んだマット】
きのこMat 、完熟Mat どれでもOK
【水分量】
菌床はそのまま、マットは少し水分少なめ
【設定温度】
25~27℃前後
産卵セットは以下のような感じで組みます。
※こちらは菌糸ブロックで組むセットのものです※
<手順>
まずケースを用意します。
ちなみにこのケースはクリーンケースLサイズです。
次にケース底面にマットを入れます。底2~3cm程度敷き詰めます。
次に袋から出した菌糸ブロックを丸ごと入れます。
ケースに入りきらない場合は菌糸ブロックを削って入れてもOKです。
周りをほんの少しマットで埋め込みます。
完全に埋めきる必要はありません。
半分か1/3程度でOKです。マットは菌糸が動かないように固定するような役割です。
ゼリー、生体♂♀を入れます。
フタをして完成です。
ちなみに菌糸ボトルでの産卵セットは、
このような感じのセッティング方法になります。
マットに菌糸ボトルを1/3程埋め込むだけ。
菌糸ビンがグラグラ動かないように固定するように埋め込むと良いと思います。
上記が産卵の手順です。
カワラ系材やカワラ系菌糸をしようすれば、産卵&幼虫飼育共に難しい種ではないと感じています。
皆さんも是非飼育に挑戦してみては如何でしょうか?(^^)
※ この日記で紹介したやり方や考え方はあくまで私:Shiho個人の考え方によるもので、それを押し付けるものではございません。あくまでご参考程度にご覧頂ければ幸いです ※
※ この飼育日記では過去にも同じ種類について飼育方法をご紹介しておりますが、過去で取り上げたデータと新しく公開したデータとでは、エサの種類、管理温度、羽化までにかかる日数などに差異が見られる場合がございます。
これは飼育をやりながら、私個人のやり方や考え方が変化しているということですので、今現時点での私のやり方や考え方を参考にして頂くならば、一番最新の日付のデータをご参考にして頂けますと幸いです。ご了承下さいませ m(_ _)m ※
10 Comments »
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2021年12月21日
カテゴリー
使用したアイテム
Basicプロテインゼリー(昆虫ゼリー), Naturaシリーズ(菌糸ビン・菌床ブロック), きのこMat(昆虫マット・発酵マット), 完熟Mat(昆虫マット・発酵マット), 黒土マット(昆虫マット・発酵マット)
shihoさんへ質問です!
レイシ材での産卵の場合、幼虫で取り出したときは完熟マットで一旦管理で良いのでしょうか?
また、菌糸瓶への移動はどのタイミングが良いのかを教えてください!
Comment by kazy — 2023年3月25日 @ 6:17 PM
kazy様
レスありがとうございます。
タランドゥスは、ご存知の通りレイシ系やカワラ系の菌糸で飼育するのが一班的だと思います。
なので、完熟マットでも食には不向きだと考えます。
私ならば割り出したばかりでも、マットは使用せず、その割り出した際のレイシ材の材片を細かく砕いてそれを食するようにさせると思います。
そして少しでも早いうちに、きちんとしたカワラ系菌糸に移行させた方が無難と考えます。
移行させるタイミングは、さすがに孵化直後は避けた方がよいかもしれません。
私ならば、お腹に糞が溜まってくるようになるのがしっかり確認出来る一令中後期~2令初期位から移行させると思います。
あくまでも私個人の考え方ですので、ご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2023年3月26日 @ 8:52 AM
shiroさんに質問です。
タランドゥスオオツヤクワガタは、羽化後何ヶ月で後食しますか?オス9月下旬羽化、メス8月羽化と書いてありました。ペアリングは何月頃がいいでしょうか?
Comment by クワ — 2024年9月24日 @ 8:34 PM
クワ様
コメントありがとうございます。
後食開始時期は個体差、管理温度などによって差が出てくると考えます。
あくまで私個人の考え方ではございますが、管理温度を25℃でキープし続けた場合、羽化後、約1ヵ月半~2ヵ月程度ではエサを食べ出すと考えます。
それから成熟を考えるわけですが、タランドゥスの場合だと私のやり方では、後食開始より約2~3か月は成熟期間を設けています。
それに当てはめて考えてみると(♀は8/上旬羽化とみなします)
後食開始時期
♂:11/中旬~12/上旬
♀:9/中旬~11/上旬
成熟完了時期
♂:1/中旬~3/上旬
♀:11/中旬~1/上旬
ペアリング開始時期
1/中旬~3/上旬
このような感じになってくると思います。
あとは、活動の活発化の様子と、エサの食い具合を見て調整していくと良いと思います。
あくまでも私個人のやり方、考え方ですのです。
どちらかというと私は成熟はしっかりと時間をかけてさせる傾向が強いです。
人によっては後食を開始したらペアリングOKと考えている方々も多々いらっしゃるようです。
ご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2024年9月25日 @ 7:22 AM
質問失礼します。
はじめまして。
先日、ネットオークションにて未後食のタランドゥス︎︎ ♀を購入させて頂きました。
マットにて後食開始まで管理中ですが、ケースの外側から見たところ底で動き回っているようです。マットの上に湿らせたティッシュをひいていますが、上に出て来ている形跡はありません。
休眠中のクワガタにはよくある事なのでしょうか。または、もう休眠期間が明けたのでしょうか。
助言頂きたいです。よろしくお願いします。
Comment by はな — 2025年1月12日 @ 8:02 PM
はな様
コメントありがとうございます。
通常、後食前の個体はマットに潜ったままで一か所でじっとしている傾向が強いです。
マット上にて徘徊している様子やゼリー等を食していないならば、まだ活動前なのではないのではないかと思います。
もしかするとそのマットの中の環境(水分不足、酸素不足)が気に入らないのか、もうすぐ活動前なのかもしれません。。
一旦今の環境をリセットして作り直してやるか、それでもどうしても気になるようでしたら、管理しているマットをかなり浅め(3㎝ほど)に敷いてみて様子をみては如何ですか?
これ位の浅さならば、もし活動を開始してればマット上で徘徊するはずですし、ゼリー等も食べるのではないかと思います。
ただマットを浅めにするとどうしても湿度が少なくなり乾燥しがちになりますので、湿度管理はしっかりとやる必要がありますのでご注意下さいませ。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2025年1月14日 @ 8:33 AM
お忙しい中、丁寧にご返答下さり
ありがとうございました。
未後食の固体を飼うのもタランドゥスを飼うのも初めてで、後食開始が楽しみ過ぎてしょっちゅう外側から覗き込んでいるので嫌がられているのかもしれません(笑)ほぼ見えませんが。。
酸素、湿度に気をつけながらこのまま様子を見ようと思います。
無事、後食開始しましたらブリードにも挑戦したいと思っております。
その際には、貴社のカワラ菌糸を使用させて頂きたく思っておりますのでよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました( ˊᵕˋ )
Comment by はな — 2025年1月14日 @ 6:39 PM
はな様
コメントありがとうございます。
またご丁寧にご返信頂きとても嬉しいです。
タランドゥス飼育、上手くいくとよいですね、応援しております^^
こちらこそ今後ともどうぞよろしくお願い申し上げますm(__)m
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2025年1月15日 @ 8:13 AM
初めまして。
24年6月下旬孵化の幼虫(♂)を今年の2月上旬に3200の菌糸ビン交換をしたのですが、現在になっても真ん中の彫った穴の中に居て、蓋を開けると見える状態のままが続いてます。蓋の空気穴は直径4㌢の穴を開けており、酸欠ではないと思いますし、同じ種類の菌糸での交換なので菌糸の拒絶でとないと思われます。
もしかして前幼の直前に変えてしまったからでしょうか?初めての事で困ってます
Comment by しんたろー — 2025年2月21日 @ 1:21 AM
しんたろー様
コメントありがとうございます。
前蛹になるためには蛹室を形成しないといけないので動きはあるはずだと考えます。
その幼虫は生きていて動きはあるのでしょうか?
かるく何か筆などのようなもので触れてみて噛みつきにくるようならば元気でしょうけど、反応が鈍い場合は幼虫自体が弱っているのかもしれません。
また温度管理はされていますでしょうか?
今の時期は寒いので常温管理をしている場合は寒くて耐えている状態なのかもしれません。
やはり最低でも常時20℃以上は欲しいところです。
あくまで私個人の考え方ですのでご参考程度にして頂ければ幸いです。
飼育日記担当:Shiho
Comment by tsukiyono — 2025年2月22日 @ 11:31 AM